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プレゼント

プレゼント

「む~くお~」
「どおしたの兄さん?」
ホテルに帰ってきたアルの目に入ってきたのは、悩ましげにのたうち回る兄の姿だった。
エドはゴロゴロとベットの上を転がってはぐおおおと苦悩する。
身もだえて苦悩するって大佐のこと意外にはあり得ないよね?っとアルには聞く前にわかるぐらいには兄の行動はわかりやすすぎた。
「アル~ぅぅぅ大佐になにやればいいと思う?」
「バレンタインね…」
アルは思った以上に兄と大佐が普通のカップルのようにイベントごとに参加しているのに、ちょっと驚いたが相手はあの大佐なのだから、奇異なことでもないのかと思い直した。錬金術バカの兄をこの手のことで悩ませることができるとはなかなか相手としては悪く無いのか
「普通にチョコは?」
「だって俺普段いっぱいもらってるじゃん…やっぱなにか」
アルは心の中で大佐…あなたすごいです。
あの兄さんが赤くなってるよ?
「チョコはあげたら喜んでくれるとおもうよ?一緒に食べればいいしね」
「そうかな?」

「んーー。軍服だからネクタイはいらないし…」
「実用品は?」
文具に、財布に、服に、靴下、爪切り、櫛…ブツブツ、エドは悩みはじめる。
「じゃあ。下着は?」
アル助け船を出してやる。
「…あざとくねえ?」
少し間があってから蚊のなくような声でエドから返事が返ってくる。
あれ?まだだったのかな?
こないだお泊まりだったのに。
意外に大佐甲斐性がない?
「いいと思うけど?」
アルがとりあえず返すと
「あいつ、どんな下着はいてたっけ…」
「…パンツ覚えてないの?」
「それどころじゃなかったんだって!!」
なんで、お泊まりがだめで、パンツの種類を知ってる方はハキハキなの?なんか恥ずかしがるところがおかしいような??と思いつつ、これ以上悩まれても困るので普通に返した。
「たぶんブリーフは消えたよね?」
「何でだよ?」
「兄さん小さい頃からあのフォルムがイヤだっていって、トランクスはいてたじゃん」
「無駄にそおいうとこ細かいんだから、ブリーフだったら今頃は100年の恋も冷めてると思う。」
みっちり具合がイヤだと母にトランクスにかえてもらっていた過去を知るアルとしては、ブリーフは無いと断言出来る。
兄は見ていないようで見ているたちだ、というか誰も見ていないことを我知らず記憶しているタイプなのだ、
糸口を見つけてやりすらすれば、勝手に結論がでるのだから、たすけてやることにした。
「アルぅぅ」
「で、ピタッとしてたの?それともだぼっとしてたの?」
「ピタッとしてたような気がする…」
「じゃボクサータイプの可能性が高いね」
ここで、エドによる下着描写がつづかないということは、おそらく間違いない。
「明日つきあってあげるから買いに行こうよ。兄さんも新しい下着を買うといいよ。」
大佐感謝してくださいね。アルはこっそりは呟いた。

「アル…俺選べないかも」
どこでも生意気にどっしりと態度デカく!のいつものエドワードらしからぬ、居心地悪げな様子で視線を彷徨わせている。
「何ケチなこといってるの、しっかりお給料もらってるでしょ?」
「いや…そおいうもんだいじゃなくて」
花畑ならぬ野菜畑…男の下着の山を前にエドは眉間にしわを寄せていた。
あるとかないとかの問題でない、目の前の下着は異常だったエドの感覚でいくといつものパンツが100枚は買えそうな勢いの値段なのだ。
いい下着ってなに?このちっこい布きれが38000セズンとはどおいうことだろうか?
生地?生地が上等それ以外にこの値段の意味はあるのだろうか、それにしてもこの値段はないだろうととかと
熟考したところで、パンツの価値などエドワードにはわからない。
「いい下着だと思うけどな~きっとはき心地すごくいいと思うよ」
履き心地ってなに?
「いや、そもそも下着ってやってもいい物なのかってのが、問題だと思う」
「何にも問題無いと思うけどな、後にも残らないし、大佐が必要とする生活必需品なんてほとんどないでしょ?」
アルは店員のかわりにセールストークを繰り広げた。
「そっか…まあいいか。」
エドの一言を終わりに
店員とアルの多大なる努力によりエドのプレゼントは決まったのだった。
ごく一部の人物にかぎりだまされやすくなる兄のつぶやきに
大佐、僕たちを誉めてくださいね。と隣の店員とふたり達成感に二人してガッツポーズをきめた、アルだった。
『団体競技もいいものだよね~僕も体が戻ったらなにかスポーツでもはじめようかな』
『下着って…こんなにするものなのか?俺一枚100セズンのパンツを大佐にみられちまったんだけど…
あいつなんにもいってなかったしいいよな?』
それぞれの脳内は非常に微妙だった。

「すいませーーん、これ包んでください。」
アルは兄が正気に返る前にさっさと会計を済ませてしまう。
「はい、かしこまりました。」
「あっ、すいません、これもお願いします。包みは別でおねがいします。」
店員が手際よく包装する。店員は心得ているとばかりに、大小パンツをおそろいの包みにした。大きな方が金色の止めシールですというあたりがさすがは高級下着店というところだろう、客のコンプレックスを刺激しない配慮がすばらしい。
アルは華麗にNGワードを避けてみせた店員に心の中で盛大な拍手をおくった。
「おまえがはくのか…?」
「何言ってるの僕なわけないでしょ」
「いい下着はよくねむれるんだよ!いい睡眠をとらない兄さんには最適だとおもうな。」
「なかなかこれないんだからかっておけばいいじゃない?」
「俺、普通ので…」
「買っておくの」

数ヶ月後、大佐の元を訪れたエドワードは例によって大佐の自宅にお泊まりに来ていた。
風呂を上がったエドワードはパンいちでソファーに座ってがしがしと髪を拭いていた。
「鋼のそれは?」
「なんかバカ高い下着でさ、履き心地はいいんだけどな」
ウエストゴムをひっぱりながらエドは答える
「鋼の…おそろいだったんだな」
「あっ…そんなじゃなくて、」
言いつのろうとしたが結局そういったことをウザイ感想をもらしそうなタイプの大佐がどうも喜んでいるらしいと感じたので否定するのをやめたのだった。

 

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