プライベート
プライベート
ロイ・マスタング大佐の執務室にひよこ頭の錬金術師が訪れるのはかれこれ二ヶ月ぶりのことだった。
「げせん…」
ひよこ頭の錬金術師はつぶやきとともに眉をハの字にして不機嫌オーラを全開で放出している。
ひよこ頭こと鋼の錬金術師エドワード・エルリックが吠える。
「何だよあのオッサン!!」
「まあまあ」
エドワードの座るソファーに
「ポリシーちゅうのは黙って持ってるもんであって
叫ぶもんじゃねえだろ!」
「なーーにが仕事とプライベートは分ける主義なんだよだ!?」
「プライベートで機嫌がわるいのをもちこまん?」
「奥さんとケンカして不機嫌モード全開の時点で、守れてねぇつーの!!寝言は寝ていえ!」
「落ち着け鋼の、世の中あんなものだ」
まあまあと黒髪大佐は金髪錬金術師の前に軍部名物泥水コーヒーをビールのジョッキを置くかのようにドンと置いてやる
「とりあえず一杯一気でいきたまえ!」
「オヤジめ!」
ぐびぐびぐびっとエドワードはコーヒーを一気にいく
「ぷはっ!」
ゴツンと音を立ててマグを置く。
「冷めてるとスゲー味…狂気も正気に返る…」
あまりのまずさに、怒りも矛先がくりんとカールするらしい。
「まあそういうな、君が旅立った後のわたしも…」
ぼそりとつぶやいたロイの発言に
半眼になる。
「…」
「中尉可愛そう…」
「アフターケアしてくれたまえ。そうすれば待遇も考える」
「俺たちって…微妙な関係だよな」
公私ともに共犯者の立場の二人の関係はぐるぐる絡まってほどけそうにない。
どちらも分かれたところで長きに渡って後を引くネタ満載なのだ。
「公私ともに絡まってるから」
「アンタがいうとヤラシイ。」
「実際、どうしょうもないほどに複雑な関係だろう?」
「否定できねえ…」
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