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「エドワード!!」
「エドワードエルリック!」
呼びかけたところで返事がない。
ロイの目の前には本を広げたエドがいるのだが、黙々と紙と本の山に向うばかりだった。
洒落でなくうずたかく積み上がった山は一種異様な光景で、
肝心のエドワードは山の頂上付近に陣取っている。
エドワードに近づくには、少なくとも道の確保が必用だ
ロイは周囲を見回し目眩がしそうになるほど雑然としている。
取りあえず体を動かそうと・・・ロイは最初の一冊を積み直した。

鋼の錬金術師謹製の図書館に入って20分。
せっせとかいがいくしくかたずけるロイ・マスタングの姿があった・・・
世の中のロイ・マスタングのファンを自称する女性や日々ロイの失脚を狙って謀略をめぐらす一部軍人の皆さんが見たら驚くような姿で、
ロイはエドワードが築いた本の山を黙々と手際よく脇へ積み直し道を作り続けていた。
本の道のその先にエドワードの陣取る山にたどりついた
エドワードの第二の砦の攻略向かったが雪崩をおこしそうな状態で積まれた山に、本をふまずに移動するのは不可能だと悟ったロイは。埋もれた書架用の梯子を掘り出して、山にかけよじ登って呼びかけてみた。
呼びかけはしたが、ロイははなから返事など期待しているわけではない。
梯子をよじ登り山を崩さぬようにそろりそろりと移動し、
憎らしくも愛しいエドワードに猫がするようにすりより耳の後ろに
『ちゅ〜w』
と、間抜けな音を立てるキスを仕掛けた。
「あれ?大佐何でこんなとこに居るんだ?」
きょとんと驚いた顔をしてエドワードがロイと目を合わせる。
「君がここの鍵をくれたのにひどいね。」
冗談と恨みがましさを混ぜた声音でロイは答えエドワードの頬をそっとなでた。
「ところで、いったいこのありさまはなんなのかね」
などときいてしまいいい雰囲気を持続できないのは元お付き合いのプロとして如何なものだろう?
そう自分で突っ込みを入れるロイは自業自得以外のなにものでもない。
「こう、ビビ〜ン〜と構築式がきてさ・・・」
この部屋のありさまで構築式がおりてきてこうなりましたと言ったところで世間は信じないだろう
ロイも錬金術師なのでこの有様が出来上がるまでの手順が手に取るようにわかる。
普通はコノレベルに到達するまでに集中力切れで正気に返るものなのだが、この状況を作り出せるのもまたエドワードの才能の一つなのだろう。
「確かに・・まぁ、君よりましだがね」
「おわっ!なにすんだ」
「折角片づけたのだから、招待しようじゃないか」
「ってここ俺が借りてる倉庫だって」
「くくっく・・私が作ったスペースだからね」
くすくすと笑いながらエドワードを抱き上げたのだった。

数十分後腹の上にでっかいクロネコを乗せたエドワードは
すっかり乾いた元白い液体で汚れた本をエドワードは悲しげに眺めた。
『あぁ・・・俺の本〜』
寝よっ…。
カクリと肩を落として目を閉じた。

 

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