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花冠12話

 

花冠12話

捕り物のあった部屋から出たエドワードは、司令部に戻るにあたり自分が戻っていることを敵対しているであろういずれかの陣営に知られても特に問題はないだろうかと考える。エドワードは事前の作戦会議にも参加しており、本日なにがしかの作戦に参加していたことを知っている人数はかなりの数に上る、
エドワードの参加した作戦は一見すると構成要員はたくさんの小隊から人数を捻出するため寄せ集めたようでいて信頼できるものを集めているあたり、ロイが予想していた獲物は本命であったのだろうとあたりをつける。そうなると戻りを監視されている可能性もある。
エドワードがいったん司令部に戻るのは当然と言えるがすぐに今回の作戦総指揮のロイに面会するのは得策ではない。
自分のポジションをばらしているようなものだ、あくまでも細かい作戦の中の一つだと言い張れるようにしておくのだ。
途中参加のうまみを生かしてなるべくマークが軽く自由度の高い位置を確保することが重要だ。
内通者にはなるべくエドワードを駒として重要でない駒であると思わせておくのだ。

一度司令部に堂々と戻りホークアイに待機の必要があるかを確認した。予想通り特に予定は割り当てられておらず、居場所をはっきりしていれば自由にしていてかまわないと通達される。エドワードは資料室で調べ物をした後は図書館に移動する旨を伝え部屋を後にする。いつもどおりの多くの軍人が知る鋼の錬金術師の行動パターンだ。
いったん資料室に入ったエドワードは適当に錬金術関連の事件の記録をとりだし目を通すふりをしつつこの後の行動をいかにするかを検討する。
エドワードは自分の感覚に自信は持っているが演技を徹底しておくに超したことはない。
この資料室前で会議前に確認した中佐階級の男と出来ればその副官などの身辺情報が欲しいところだが、悔しいがエドワードには穏便に個人データを引き出すすべがない。
ロイなりホークアイなりに手配を頼む方が危険がない。だが本日中に情報を得られないのであれば多少の無茶も辞さないつもりだ。
今回の場合は特に情報の遅れは生死を分かれ目だ、もしもの場合は個人情報の入っている書棚の隣の部屋の壁を破壊してこっそり取り出すなど非合法な方法にうったえることにするとこっそり心に誓う。
どこの棚に何が収まっている…管理に携わる人間にとっては些細な、だが知ろうとするものにとっては重要な情報はどこで手に入れたか、
考えてみるとあの男が時々与える罰のせいだ、ロイは時々注意で済む程度の失敗をあげあつらうようなことしてエドワードに罰だと掃除や資料整理の手伝いを言い渡す。
罰の内容は女性職員の多い事務方の簡単な荷運びなどだがエドワードはしまった資料や掃除をした部屋書類の配置などは自然覚えてしまう。
ヘタをすれば内容までまるごと覚えていることもある。
そんな罰という名のお手伝いで、入ってはいけないと言われたゾーンには大切なものが保管されているということだ。
ロイは少しずつながらエドワードに東方司令部の隅々まで記憶させようとしていたかのようだ。
老将軍のチェスの負けたら何でも一つ言うことを聞くという、罰ゲームの将軍命令のあれやこれやもその一環なのだろうか。
エドワードはあいつもじっちゃんも食えねぇ!と腹の中でつぶやき、ぱたりとファイルを閉じた。

 

 

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