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花冠8話

 

花冠8話


エドワードがそっと両手でふれると頭の上に開いた穴がみるみるふさがる。
こそこそと床下を移動しながら二人は
「でば亀の顔をみておきたくはないかね?」
「嫌らしいヤツ」
「誉められるとてれるね」
床下をこそこそと今まで居た書庫の並びにあるもう一つの第二資料室とは名ばかりのどっから見ても物置でしかない部屋の真下に移動した。
エドワードとロイは息をつめて上に人がいないか探ったあと、エドワードが錬金術でゆかを分解して人一人分の穴をあけた。
音もなく部屋に滑り出る。
「痕跡も見つからなところまでキレイにふさいでおいてくれたまえ。」
「へいへい」
「んじゃ面おがんでやるとするか」
軽い扉の音と共に第二資料室を出た二人は廊下にたたずむ人物を盗み見る
あわてたそぶりこそ見せないが、大佐に向かって黙礼をし急ぎ足に先ほどエドワード達が密談をしていた書庫に入っていった。
何もせず廊下に立っているのは軍内では異質に見えるので資料を探しに来たということにするつもりなのだろう。
中で恐々として廊下の物音に耳をそばだてているだろう前を何事もなかったように通りすぎた。
執務室まで戻った二人はようやく口をひらいた。
「思ったより階級が上だよな?」
「中佐だったとわね」
ロイが口元をゆがめて笑う。
「ある程度予想済?」
「誰なのかまでは分かっていなかった。中央のヒモつきというのはよくあることだよ」
誰か分かっているのならそれでとりあえずはいいのだろう。
「情報部ではないよな」
「確かにやり口が少々つたない。だが鋼のあそことは関わりにならないことだ」
エドワードとしては関わりたくもないが、向こうから近寄ってくるのではどうしょうもないではないかと言いたくなってすまう。
「なっちゃいないけど、ちょろちょろはされてるって感じ。ろくなもんじゃねえ」
ロイはため息とともにさらに音量を落として
「君は私の陣営にくみこまれているからな。こんな作戦に参加してしまうぐらいにはね」
「だな。なんとかしろっていってもしょうがねえだろ?」
「大事な物に手をつけないかぎりは」
暗にやると言い切っているようなものだろうとエドワードは心の中でつっこんだ
「向こうが何かしてこない限りはきずつけたりしないとも」
「さすがの面の皮」
「君には言われたくないな」
「さて、ぼちぼち会議の時間だ」
二人の姿は扉に吸い込まれた。

今回の作戦はできるだけ長く作戦内容を内通者に知られないように東方司令部のいくつかの大隊から一個小隊ずつ人員を集め、シフトの関係であまり面識のない面子をそろえ、さらにそれぞれ違う暗号と連絡形態をとって横のつながりを裁って行動させている。
作戦には数百人規模の人数が係わっているのだが作戦従事者の大半は、頻繁に行われる小規模作戦に参加していると思っている。
市民からのたれ込み電話があったとか、爆破予告をした容疑の内定であるとか、先日脱獄したテロリストの脱獄を幇助したうたがいのある者を監視場合によっては確保せよとか、と表向きの作戦は
いくつかの作戦をでっちあげ奇しくも同時進行せざるえなかったと言うことになっている。
たれ込み電話によって事実関係の調査に小隊単位での作戦などは内乱の傷が残るイーストシティではよくあることなので不審に思われる心配も少ない、命令されることに慣れ上の思惑に深く関わると命か危ないとよく知る兵士はこの手のことに関して深く知ろうとはしない。知ろうとする以上はそこに何かあるとみていい。
内乱からこちら治安があまりよいとは言えない状況なので出動の頻度は元々高い。
出動自体が多いのは東方司令部の日常と呼んで差し支えない。
そんな軍人と東方の事情を悪用し、今回の作戦の全容を知るものはものの一握りしかいない仕掛けになっている。
作戦からはずして不審がられぬように内通していた中佐殿の部下達も麻薬捜査作戦の一部に組み込み
万が一どこかからねじ込まれた時にそなえ対策が万全になされてた。

ロイは直々に膝詰めどころかべっとりくっついて作戦の全容を話して聞かせた某錬金術師から『うわ!さすが大佐せーかく悪~。』と誉め言葉をちょうだいした。
少なくとももらったロイは誉め言葉だと言い張る。
もしも直接マスタング組組員が聞けば、胸の内は『五十歩百歩、ドングリの背比べ』などになるのだろうが、自分たちも端から見れば『五十歩百歩』といったところなのを気がついていない。
紆余曲折を経て作戦は実行に移されたのだった。

 

 

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