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花冠3話

 

花冠3話

ホークアイは夜勤組が残していったロイの決済の必要な書類を整理していると
「おはよう!中尉!!」
「おはようございます」
元気な挨拶と共にエドワードとアルフォンスが訪れた。
「いらっしゃい、エドワード君」
「ごめん中尉、忙しい時に来ちゃったかな?」
とエドワードは朝の忙しい時間帯に手を煩わせることを気にしているようだが、昨日、連絡を入れてた西部からはこの時間にイーストに到着しているということは連絡を入れた直後の便に飛び乗たということだ。
ホークアイは昨日非番でエドワードから電話があったと今朝上司から聞いてはいた、いつもなら意外に細やかな気遣いで仕事が一段落した3時頃に来ることが多いエドワードがこれほど早く来るということは急ぎの用件か重大な用件なのは間違いない。
ホークアイは年の離れた弟のようにかわいがっている兄弟が余計な気を遣わないようにもう一押し言葉を付け足す。
「いいえ、いいタイミングよ大佐は執務室にいらっしゃるわ私たちももうすぐ会議で一足遅かったら誰もいないところだったの」
「急がしかったら夕方にでも出直すよ?」
「でも急ぎなんでしょ。一昨日の夕方に西部から連絡くれて朝一番に訪ねてくれたのですもの緊急を要する用事でしょ。
さあ、まだ時間があるから大佐の執務室にいってきて」
エドワードはじゃお言葉に甘えてとでもといった仕草でホークアイに答えてロイの執務室に続く扉のノブを掴もうとして振り返った。
「アルごめん。先に図書館にいっててくれよ。大佐と話したら追いかけるから」
「わかったよ。図書館行って待ってるね。いつもの宿に予約入れておくからもしもすれ違ったりしたら宿に帰っておくね。
じゃあお先にしっかり話し聞いてきてね。中尉兄さんをお願いします。」
エドワードはノックをして返事を待たずにドアをくぐり、アルフォンスはホークアイにッぺこりと頭を下げてオフィスから出て行った。

「おはよう大佐」
エドワードがノックの意味がないノックをして、エドワードにしてはまともな挨拶で執務室に入る。
いつもならここでひとしきり嫌みを交えた掛け合いというかスキンシップが始まるのだが、ホークアイが言っていたように会議まで余り時間がないのだろう、ロイはあっさりと引いた。
「やあ鋼の、いい加減ノックの仕方ぐらいは覚えて欲しいものだと言いたいところだが今日のところはまあ許してやろう。君はいいタイミングでここに現れるね」
ロイはまずは私の話を聞けと態度で示してやる。
エドワードもいつものロイとのやりとりが嘘のように勝手知ったるなんとやらで黒い革張りのソファーに腰掛け足元の旅行鞄から報告書を引っ張り出しながらも既に聞く態勢だ。
「今、イーストシティの裏界隈では新しい麻薬が蔓延していてね。もうしばらくしたら対策会議を始めるので余り時間がない。お互い手短にいこう。」
「もしかしてピンクの紙状に加工されてるやつかよ」
「君は見たことがあるのかね?」
裏の世界で取引されている。そのような後ろ暗い商品は普通一般の人間の目に触れることはあまり無く、見た目小さな子供のエドワードの目に触れたのはエドワードが危ない界隈で目にしたのかそれとも子供の手の届くところにまであの薬が出回っているからだろうか、
どちらにしても余りいい状況では無い。ロイは行き詰まった捜査に焦りを感じた。
エドワードが先ほど鞄から引っ張り出した後、膝の上で遊ばせていた報告書を差し出しながら話しを続ける。
「ああ、俺が連絡した用件もそっちがらみと言えなくもないかな。そこの報告書にもかいてあるけどステパノってラッシュバレーの北西辺りになる町に行ってたんだけど、そこでたまたま銀行強盗に出会してそいつらが口に放り込んで使ってた。」
固い表情でロイの方を振り返ったエドワードを見てロイは違和感をかんじる。
「ニューオプティンから解決したのは鋼のだと報告はきていたが、
君人質にとられたのか…もう少し注意して行動しなさい。」
これまで何度となくテロだ強盗だ事故だとあらゆる厄災に巻き込まれているエドワードのことだ、たかが銀行強盗でこれほど固い表情をするはずがない、するとこの不自然な表情の原因は一体なんなのかとロイは考え巡らせながらも、トラブルメーカーなエドワードにせめて自分から首を突っ込まないように釘をさしておく。
「着いてすぐ駅で地元のおばちゃんから聞いた宿をさがして歩いてたら
ナイフ突きつけられて引っ張り込まれた。どう考えても不可抗力だって
俺だってあんなしょうもない連中とはお近づきにもなりたくないさ」
「麻薬をやる様な連中だ気をつけるに超したことはないこれからは注意しなさい」
「わかったよ。で連中俺にナイフ突き付けたままポケットからピンクの紙を出して
口に入れてた。三人いた中の二人がその紙を使ってた。」
固かった表情をうんざりとした表情に変化させ心底厭そうな顔ではあったがいつもなら食いつくロイの軽口スレスレの小言に噛みつきもしない。
「薬を服用した犯人の様子はどうだった。」
「それがさ口に入れるのに俺から気がそれたスキに攻撃したから様子を観察する暇なんてなかった。」
うんざりするのももっともだ薬をきめるのに手間取って捕縛されるなどあまりにも手際が悪い。ロイはエドワードがうんざりした表情なのに得心する。
「なるほど」
「それがあの紙切れを見た一回目で26日前の話し、
でその紙切れにもお一回遭遇したのがウェストのブルックスで昼食に入ったカフェで恐喝されたとき相手がもってた。でそいらを蹴り倒した靴底にしつこくくっついてた例の紙がこれ。この話は昨日のこと。で呼び出されついでに大佐に届けに来たってわけ。」
エドワードはコートのポケットをごそごそさぐって袋の入った2枚の紙切れと公式でないロイ個人への報告書のをロイへ投げるように寄越した。
「その紙なんだが、イーストでもかなりの数が出回っている。
しかし、所持している者を押さえても薬物反応が出ない。
我々が検知出来ない物質なのか、まだ染みこませる前なのか
分析が出来ない以上ただの紙を持っているだけだ、
そう長くは拘束できん。八方ふさがりといったところだ。
昨日君から電話がある前から考えていたのだが、関わっているならちょうどいい捜査に君にも加わってもらいたい」
エドワードはまた先ほどの固い表情に戻っておりロイの目を見据えてここからが本題とばかりに返事もせずに続けて話す。
ロイの方もエドワードの様子に思うところがあるのか黙って先を待つ。
エドワードがとつとつと話し出した異常は知らなかったですまされる内容ではなくロイにとってはよく知らせてくれたとほめてやりたいほどの内容だった。
「ニューオプティンで報告っていうか調書とられたんだけど
なんていうか煮え切らないっていうか解決する気が無い様感じがした。
現場どうこうじゃなくて上?うまく言えないけどこう事件いつもと反応が違うってかんじ
で…その時には確信が持てなくて、アンタもいるしそんなに深刻には考えてなかった。5日前、機械鎧の整備にラッシュバレーに行ってそこから西部に移動する途中夜行の切符が取れなくてニューオプティンで一泊したら26日前より今のニューオプティンは悪くなってる感じでさ…そこらの食堂普通のだぜっ…に入ったら酒片手にアノ紙しゃぶってやがる。宿のおばちゃんに聞いてみたら危ないから近寄るなってアンタみたいに言ってたけど、その食堂憲兵の詰め所のすぐ前にあるのに堂々と使ってる。あの紙は無かったことになってるって感じでさ…列車降りてメシ食って宿に着いたら護衛って名前の監視までつけやがった。
まあ…監視の目的がアレがらみって決まった訳じゃないけどな。
あのままイーストにまっすぐ来るのは危ないし、西でどうしても会わなきゃならねえ人との約束もあったから寄ってきたけど、西の司令部でちらっと顔見知りにあの紙のことを聞いてみたけど、対応普通なんだ…おかしくなかった。」
エドワードの話した本題にロイは少なからぬ衝撃を受けたが脳みそをフル回転させて整理していく。
「君が昨日の連絡の時点でいつも通りイーストに帰ってくるのを渋る振りをしたのはそれのせいかね。」
「電話とか無線盗聴されてない?」
「可能性は無くはないな。」
「この部屋は?」
「盗聴器に関してはフュリーが定期的にチェックしているからこの部屋に関しては比較的安全だ。まあ、今の会話は君が帰って来るから今朝チェックしたてだから安心したまえ。」
鋼の錬金術師が帰って来る予定だったのだ、この部屋でそのものな単語を置き換えて話すにしても人体錬成を話題にする可能性がある以上ロイもエドワードも保身をはかる上でこおしたチェックは怠ることが出来ないのだ。
「そのチェックって毎日って可能なのかな?」
「まあなんとか毎日するしかないだろうね。」
エドワードは手を合わせたごめんねポーズでここにいないフュリーに謝りってはいるが容赦なく『必要だなっ』とロイとエドワードはうなづきあう。
「ごめん俺の勘と状況証拠しかねえけど…あそこの上はなんかおかしい。だからまあ確実にほったらかしにはしない大佐んとこに持ち込んだんだ。フュリー曹長に面倒かけてごめんって言っといて。
時間無いって言うから後にしようと思ってたけど、監視に着いた軍服着たのが2名で軍服と俺達を見張る私服を2人。たぶん軍服が俺達の会話を報告、軍服は見失わない為の目印っていうかコマで私服が本物の監視。
そおいう付け方されたからアルもさすがに機嫌悪くてさ…あそうそう私服が付いてること俺達が気がついてるってバレないように振る舞ってあるから。」
そお言ってエドワードはニヤリと人の悪い笑みをうかべる。
「信用してくれてうれしいよ。次はここまでになる前に勘の段階で持ち込んでくれるとうれしかったのだがね…」
「ご…ごめん…だってただの勘だったし…監視付けなかったらここまであやしまなかったって。」
「これから麻薬捜査の会議だ、鋼の君も出席するように。」
「うっへ~~了解。反撃開始ってとこ?」
「今日は素直だね」
「あんなものに近くをうろうろされるのは気持ち悪いからな!」
本題がすんだとたんからかってくるロイをエドワードははねつけるように否定した。

 

 

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